2015年07月24日

メモ: 自己免疫疾患 −「安保免疫学」

    

自己免疫疾患と 安保徹理論 (新潟大学医学部大学院 教授)



膠原病は自己抗体が出るので、自己免疫疾患とも呼ばれています。
症状もさまざまで、病名もなんと50ほどあります。

慢性関節リウマチ、SLE、橋本氏病、皮膚硬化症、皮膚筋炎、ベーチェット病、シェ−グレン症候群、甲状腺機能亢進症、自己免疫性肝炎などさまざまな病気があります。

難病に指定されていることもあり、膠原病は治療の長引く難治の病として知られています。


いままで、膠原病に関しては、免疫が強すぎて自己を攻撃するものだと考えられていました。
このためステロイドなど、徹底して免疫を抑制する薬が治療に使われてきました。



ところが、「安保免疫学」として膠原病を研究していくうちに、実際には免疫抑制の状態で病気が起こっていることがはっきりしてきたのです。

膠原病の病態は免疫抑制の極限状態であり、発症のきっかけはストレスが多く関わっていることがわかりました。
となると、膠原病の患者さんは免疫を抑制しているストレスがないかどうかを見直す必要があるでしょう。

また、免疫抑制の病なのですから、さらに免疫を抑制するステロイド治療では治るはずがありません。


膠原病回復には、ストレスからもステロイドからも脱却することが必要といえます。

(・「安保徹の免疫学入門」 安保徹 著  宝島社  p、86〜p、87 より〜 引用) 





具体的には慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、橋本氏病、皮膚硬化症、皮膚節炎、ベーチェット病、シェーグレン症候群、甲状腺機能亢進性、自己免疫性肝炎などがあり、これ以外の自己免疫疾患に、インシュリン依存性糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、バセドウ病、悪性貧血、アジソン病、萎縮性胃炎、溶血性貧血、潰瘍性大腸炎、クローン病、重症筋無力症、多発性硬化症、それに準ずるものでは、非依存性糖尿病、慢性腎炎、メニエール、突発性難聴、肺気腫、ウイルス性肝炎、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脳神経細胞の受容体障害によるうつ病などさまざまな病気があります。




■ 関節リウマチ (RA):  全身の関節を中心に炎症を来す疾患。30〜50歳代に多く発症し、男女比は1:3。


■ 全身性エリテマトーデス (SLE):  全身の臓器に障害が生じる慢性炎症性疾患。多彩な臓器病変が見られるが、ループス腎炎が代表的。15~40歳に多く発症し、男女比は1:10。特定疾患治療研究対象疾患。


■ 進行性全身性硬化症 (PSS):  全身の皮膚硬化が主症状。自己抗体には抗Scl-70抗体、抗セントロメア抗体。30〜50歳代に多く、男女比は1:4。特定疾患治療研究対象疾患。


■ 多発性筋炎 (PM)、皮膚筋炎 (DM):  全身の横紋筋に障害が起こり、筋力低下や筋肉の痛みなどの症状が見られる疾患。眼瞼部の紫紅色の皮疹や手指伸側の落屑を伴う紅斑等の皮膚症状を呈する場合には皮膚筋炎と呼ばれる。自己抗体は、抗Jo-1抗体、抗Mi抗体が特異的。好発年齢の分布は二峰性であり、5〜15歳の小児期に小さなピークと35〜65歳の成人期に大きなピークを持つ。男女比は1:2。特定疾患治療研究対象疾患。


■ 混合性結合組織病 (MCTD):  全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎それぞれの症状が混在している疾患。抗U1-RNP抗体が特徴的。中年発症が多く、男女比は1:13〜16。特定疾患治療研究対象疾患。


■ 結節性動脈周囲炎 (PN):  全身の小〜中等度の太さの動脈炎が生じる疾患。中動脈が侵される肉眼的PN(古典的PN)、小動脈が侵される顕微鏡的PNに分けられ、顕微鏡的PNでは抗ミエロペルオキシダーゼ抗体(MPO-ANCA)が高率に陽性となる。60歳代に多く、やや男性に多い。特定疾患治療研究対象疾患。


■ バセドウ病 :  TSH受容体刺激抗体によって甲状腺機能の亢進がおこり、甲状腺肥大、眼球突出、頻脈などが見られる。20〜30歳代に多く、男女比は1:3〜4。


■ 橋本病(慢性甲状腺炎):  甲状腺の慢性炎症のため、びまん性の甲状腺腫大や甲状腺機能低下症などを来す疾患。中年女性に多く、男女比は1:20〜30。自己抗体として、抗サイログロブリン(Tg)抗体や抗甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)抗体が認められる。


■ 重症筋無力症 :  運動の反復による筋力低下が見られる疾患。自己抗体として、抗アセチルコリンレセプター(AchR)抗体。男女比は1:2で、女性では20〜40歳代に多く、男性では50歳以上に多い。特定疾患治療研究対象疾患。


■ 1型糖尿病 :  膵β細胞が破壊されてインスリンの分泌障害が起きる疾患。2型糖尿病は生活習慣病。自己抗体は、抗グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)抗体、膵島細胞抗体(ICA)、IA-2抗体など。小児や若年成人の発症が多い。


■ 原発性胆汁性肝硬変 (PBC):  肝内胆管が慢性炎症により壊され、胆汁のうっ滞が見られる疾患。黄疸や掻痒感などが見られる症候性PBCと症状が認められない無症候性PBCがある。中年以降の女性に好発し、男女比は1:8。自己抗体に、抗ミトコンドリア抗体(AMA)、抗ピルビン酸脱水素酵素(PDH)抗体。特定疾患治療研究対象疾患。


■ ギラン・バレー症候群 (GBS):  多発性の根神経炎の一つで、運動神経が障害のため四肢に力が入らなくなるなどの症状を呈する。自己抗体として抗ガングリオシド抗体が半数程度に見られる。


■ シェーグレン症候群 (SjS):  涙腺、唾液腺などの外分泌腺が障害され、涙や唾液の量が低下する疾患。中年女性に多く、男女比は1:20。抗SS-A抗体、抗SS-B抗体が見られる。抗SS-B抗体は特異的である。


■ 抗リン脂質抗体症候群 (APS):  リン脂質に対する抗体の存在を原因として、動静脈の血栓症、習慣性流産、血小板減少症が見られる疾患。抗カルジオリピン抗体(aCL)、ループス抗凝固因子(LAC)などの抗リン脂質抗体を有する。全身性エリテマトーデスを基礎疾患としていることが多い。


■ 多発性硬化症 (MS):  脳や脊髄の神経線維である軸索を覆っている髄鞘が壊れる(脱髄という)疾患。脱髄の起こる部位により多彩な症状を呈する。15~50歳に発症し、男女比は1:1.3程度。特定疾患治療研究対象疾患。


■ 特発性血小板減少性紫斑病 (ITP):  自己の血小板に対する自己抗体で感作された血小板が、脾臓や肝臓などで破壊されて血小板減少をきたす疾患。急性型は小児に多く男女比は同程度であり、慢性型は20〜30歳の女性に多い。特定疾患治療研究対象疾患。


■ 免疫性溶血性貧血 (IHA):  自己の赤血球の膜上抗原に対する自己抗体が作られ、結合した赤血球が破壊されて貧血を来す疾患。


■ 天疱瘡 :  皮膚に対する自己抗体の関与により、表皮内に水疱を生じる疾患。抗表皮細胞間抗体(尋常性天疱瘡ではデスモグレイン3、落葉状天疱瘡ではデスモグレイン1に対する抗体)が見られる。中高年発症で女性にやや多く、特定疾患治療研究対象疾患。


■ 類天疱瘡 :  皮膚に対する自己抗体の関与により、掻痒を伴う紅斑や表皮下に水疱を生じる疾患。抗表皮基底膜部抗体が関与している。70歳以上の高齢者に多い。





所長のなんでもメモ帖・雑談日記
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posted by 所長 at 22:54| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする